トリコチロマニア 101

トリコチロマニア自助グループのブログです。旧ブログは"ひとりじゃないよ"です。 email: trichotillomania.japan@gmail.com

DSM-5


DSMとは、精神障害の診断と統計マニュアル(せいしんしょうがいのしんだんととうけい マニュアル、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders → 略してDSM)のことです。アメリカ発ですが、世界中で使われている精神障害の診断マニュアル。(ほー、マニュアルだったんだねぇ…。)

昨年、2013年にアップデートされまして、5版のDSM-5が出ました。
ちなみに1からありまして、DSM-I(DSM-1)は1952年にできました。
一般的には1980年のDSM-III(DSM-3)から精神医学の診断法は大きく変わったと言われています。詳しくは、Wikipediaをどうぞ。
 
ちなみに抜毛癖は、DSM-III-R(DSM-3の改訂版)1987年から掲載されています。
 
DSMって?どこに?何に掲載されているの?については、
ジャーン!


 
こういう本。
これは翻訳バージョンです。原本は英語。
翻訳版は医学書院から出ています。
医学書院/書籍・電子メディア/精神疾患の診断・統計マニュアル


 
医学部の図書館にしかないのかというと、そんなことはなく、
大きな本屋さんにもちゃんとあります。売ってます。


 
東京では、東京駅の丸善にありました。
新宿の紀伊国屋にもあると思う。池袋のジュンクとかリブロにもありそうです。
 
立ち読み、おすすめします。
わぁー!本当に抜毛症が載ってる!ということをぜひ確認していただきたいのです。
診断のガイドラインの内容は正直どーでもいいのですが、精神障害の診断と統計マニュアル(from U.S.A.)」というものに掲載されているということは確かめてみてください。
並み居る精神疾患(例えば、統合失調症やうつや双極性障害摂食障害アルコール依存症)と並んで、抜毛症もちゃんと載ってます。

(※ちなみに、細かいけど、私は抜毛癖の方が呼び名としては正しいと思っているのですが、ここでは症で採用されています。でも絶対に癖のほうが正しいと思う。そもそも嗜(=アディクション)なんだし、trichotillomania(トリコチロマニアmaniaを訳すなら、もちろん癖でしょう。症じゃ軽い印象を与えてしまう…。
 

結構分厚いので、後ろのページの索引やインデックスから、Tの「trichotillomania」で探すのがいちばん速いです。
 
精神疾患というのは、「精神疾患を患っている」ということや、「精神を病んでしまっている」ということを、本人が自覚できないことが最大のネックなのだと思います。
例えば、アル中は治療している人よりも、治療していない人のほうが圧倒的に多いというのも、"本人は自覚できていない"ということをよく表しています。
ですので、あの分厚くて重い本を、書棚から取り出して、抜毛症を探す、見つける、読む。という行為は、自覚できていない人にとっては有効かと思います。
(アル中の治療法は確立されている部分があります。要はシンプルにまず断酒させる…ただそれだけなんですけどね。けれども、抜毛癖を”治療”するとなると難しい。むしろ”治療”という考え方では無理があるのだけれど…。つまり抜毛癖の場合は、精神疾患でもなんでもいいし、とにかく自覚しろというのなら自覚するから治療してー!ということになっても、精神科で治すのは難しいということ。むしろ家族・親子関係からアプローチするのが遠回りのように見えていちばん近いと、私は思っています。)

 
補足で、
一つ前の、DSM-IVDSM-4)では、抜毛癖は、衝動制御障害というところに分類されていたのですが、
DSM-5では、強迫性障害になってたよー。
当たりました!ひゃっはー!
以前の記事で、変わるかもしれないと予測してました↓
どうでもいいっちゃどうでもいいのですが…。

http://trich-japan.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-dbdb.html

このときは、もちろんまだDSM-5出てなかったです!