トリコチロマニア 101

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永遠の少女 / 人薬(ひとぐすり)


作家の村山由佳さんが、母との葛藤を描いた小説放蕩記(半自伝的小説とありますが、おそらくほぼ実話だと思う)で、母親のことを、永遠の少女と書いてあったように記憶しています。お母さんは社会に出ていないから揉まれていないんだよね~とも書いてあったかな?( ※原文ママじゃないです。)
 
社会に出ず、結婚し、出産し、家の中だけで、我がもの顔で振る舞う母。
このパターン、この展開、昔の女性にはけっこうあったのだろうけど、
社会に出ず永遠の少女であり続けるのは逆に恐いことなのかなとも思います。
だって、50代、60代、70代で、悪い意味での永遠の少女って、ホラーですよ。

ちなみに、小説の中のお母さんが関西弁で、関西にこういうおばちゃん本当にいそうで、関西弁ってだけで、大阪出身の私はじわじわ追い詰められるような感じになっちゃうのですが、この人がお母さんだったらけっこうかなりキツいだろうなと思います。
 
以前、斎藤学先生と村山由佳さんの対談講演(講演のテーマは「母と娘」)を聴きにいったのですが、
そこで、村山さんは、しょっぱな、はっきりと、私はAC(アダルト・チャイルド)です。と仰っていました。あと、母が認知症になって、村山さんの著作を読めない状態になるまで、『放蕩記』は書けなかった……とも言ってたかな。
余談ですが、作家って、生で見ると、写真の印象よりもかなりお綺麗な方が多く、村山由佳さんもその一人でした~!
 
機能不全家庭で育ったACにとっては、ほんとの意味で大人になるのは、かなり大変なことなんだけど、永遠の少女はイタイしキツいです。永遠の少女って、周囲の人を犠牲にしちゃうんですよね。いちばん犠牲になりやすいのが、自分で産んだ子ども。子どもが母親のいちばんの犠牲になる。

私は、機能不全!機能不全!と、鬼の首を取ったように、よく言いますが、
何が?どの部分が?機能不全なのかと言うと、
◇親が自分自身を優先するあまり、子どもをまともな大人に育てることができない。
◇親側に、子どもに大人になってほしくないという願望がある。(←親の無意識領域で起きる。)
◇そもそも親が立派な大人じゃない。
などなど、これらはほんの一部ですが、このような側面からも機能不全を分析できます。
DVやアル中のお父さんがいる家庭が機能不全家庭……。ま、それも事実なんだけど、
わかりやすい事象(DVやアル中など)だけで判断されるべきじゃなく、もっと奥が深いのです。

  
 
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人薬(ひとぐすり)というのは、斎藤環先生が作った言葉らしいのですが、
これはうまいなーと思います。
 
物質の薬ではなく、マテリアルの薬ではなく、錠剤の薬ではなく、粉の薬ではなく、
人が、人間が、いちばんの薬ですよーと仰っています。

家族以外の
人間の中に飛び込んでいって、揉まれないと、
人ってどうやっても成長できないんです。
 
でもまぁ、大人になる・ならないの選択も、人それぞれなのかもしれないし、
永遠の少女で何が悪いの?というご意見もあるかもしれません。
 
何がいいのか、そのへんは自分で考えるしかないですね。
  
 


※参考リンクも付けときます
作家・村山由佳「母娘だからわかり合えるというのは幻想」 〈週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版